みちのく一人旅

早いもので東日本大地震からそろそろ一月にならんとしています。春の訪れとともに復興も急ピッチですすんでいくでしょう。都会育ちの私にとって、みちのくはあこがれの地でした。一日も早い復興をいのり追想の、みちのく一人旅を。
上野発の満員夜行列車に通路に新聞紙をしいてリュックをまくらに出発。一路平泉へ、そう、どうしても中尊寺をみたかったのです。となりの毛越寺に宿泊、本堂のとなりでトイレにいくのに廊下をわたるのがほんどうに怖かったのです。ヒッチでトラックに便乗して仙台へタナバタのかざりがとてもきれいでした。バスで古川へ、途中知り合った姉弟の家に泊めてもらうことに。陸羽東線で鳴子へ、バスで鬼首(おにこうべ)へ、かむろ山にのぼる。近くの眼病に効能があるという一軒宿、目の湯旅館に、お掃除でもなんでもするから泊めてください、といって階段の下にとまる。夜誰もいない頃をみはからってお風呂へ、入り口がふたつなのに中はひとつ、のんきにエンヤトトなどとはなうたをうたっていたら、突如おばさんの群れがはいってきて、にいちゃんゆっくりしてきな、、気絶するくらいびっくりしてとびだす。あやうく19の春がみちのくに散ってしまうところでした。とぼとぼ歩いていると鳴子までのっていけよ、とジープがとまってくれる。鳴子はこけしで有名、工房のまえで飽きずにながめていると箱をかきわけて、おもしろいか、多少きずがあるけどひとつあげるよ、やあ、なんて親切な人ばかりなんだろう、 のみしらみ馬のしとするねぐらかな。 芭蕉が鳴子に泊まった時読んだ句です。
これでは、ばしょう、ではなく、ぶしょう、だ、などとおもったのでした。山形県新庄にむかう。後編はくたびれたので明日に。